5年生半ばくらいから手強い反抗期がやってきます。子どもたちが大人の世界に一歩踏み出したきざしです。
このころから、「~ならば~だ」「~でないなら~だ」といった、論理的な思考ができるようになってくるといわれています。
また、頭の中で組み合わせの表を作っているかのように、組織だてて考えられるようになります。
イメージを動かしたり、変形させたりすることもさらに確実にできるようになります。
高学年ではこの発達の節目に焦点を合わせて、自分で発想し、構造を考え、計画をたてて制作する力を育てます。
バルサを使った「ジャンボ鉛筆」は木を削ることで面でイメージする最初のトレーニング。「宝箱」では自分で寸法をきめ、板をどのように組むか考えます。 「キャラクターを作る」「恐竜を作る」などの紙粘土の課題では、かたまりで作るだけでなく、連続した面で形作ることを学びます。 イメージの幅を拡げることもたいせつです。高学年ではモーターや電気を使った工作をはじめとして、プラスチック、金属、革など手応えのある素材をあつかい、「工夫のたね」をたくわえます。
高学年のこれらの課題はすべて自由制作にむけて組まれています。
4年生は課題を中心に制作し、力をつけていきます。後期に行う初めての自由制作では、用意された材料を見て、材料に触れながら考えます。
5年生からは徐々に自由制作の割合がふえます。6年生ではほとんどが自由制作になり、「目と手で考える」制作から 計画にもとづいた制作へと移行していきます。